fc2ブログ
2011-03-17

ヒーロー気取り? 逆ギレ? 開き直り?

私の事務所にはクーラーがない。
正確には、「あるにはあるのだが、一般の電気とは別に引かれたクーラー専用のラインを2008年2月7日以降止めている」というものだ。
このいきさつに関しては藤原ヒロユキ日記アーカイブ2008年2月7日に出ているので是非読んでいただきたい。また、その伏線になる出来事も2007年9月16日に出ているので御覧いただければありがたい。

この日記を読んでいただければ、東京電力という会社がどのような会社か御理解いただけるだろう。
東京電力の恐ろしい契約システムと背筋の凍る恐ろしい体質がわかるはずだ。

今回の事故は、「原発は安全である」という嘘をなんとか取り繕おうとして、事故の大きさを隠蔽した結果、かえって取り返しのつかない自体に進んでいったものだ。
いち早く、事実をつまびらかにして国内外の原子力施設事故のスペシャリストや自衛隊の協力を要請するべきだっただろう。

3/15付けの新聞で原発に詳しいノンフィクション作家広瀬隆氏が
『原発の中には使用済み核燃料を貯蔵しておくプールがあるが、その状態も解らない。冷却水の循環もできているとは思えない。』
と述べていたがまさにその通りになってしまった。
今となっては自衛隊のヘリも遠くから霧吹きのような程度の放水(散水)しかできないようになってしまっている。

MSNニュースによると
『《逃げずに作業を続けているのも東電です》などという東電女性社員のものとおぼしき日記(現在は削除)が16日にツイッターやブログで“拡散”。《現場で命を懸けて作業にあたっている職員も大勢いることを忘れてはいけない》などとする称賛の声が続々と登場した。』
とあるが、怒りの震えが止まらない。私に言わせればマッチポンプも甚だしい。

事故を自らのミス(地震と津波は天災だが、その後の事故は人災だ)で大きくし、処理にあたってヒーロー気取りか? 逆ギレか? 開き直りか?
改めて東電の体質と正体を見たりといった感がある。腹立たしい。

同ニュースでは
「東京電力をめぐっては、原発4号機で起きた火災の鎮火を確認せず再出火させたり、海水を原子炉に注入するポンプが職員のパトロール中に燃料切れとなり「空だき状態」になったりと、致命的なミスが相次ぐ。」と続けている。
燃料切れだぞ、燃料切れ!
それでもヒーローか?

《逃げずに作業を続けているのも東電です》などと言う前に東京電力の会長社長役員社員が総動員で原発から半径30㎞以内に取り残された一般の人々に防護服を届けに行くべきではないか?

現在、最も大きな被害を受けているのは、原発から半径20㎞以上30㎞未満に暮らす人達だ。(半径20㎞以上にはすでに人はいない)
逃げることも出来ず、屋内退避を強いられている。
そしてそこには誰も物資を運び込むことをしようとしない。食料も底をつき出している。
外に出ることも出来ず、誰も来てくれず。。。
まさに陸の孤島だ。目に見えない放射線の恐怖におびえながら、兵糧攻めにあっている。

《逃げずに作業を続けているのも東電です》などと言う前にそこで怯えている一般の人々を助けに行け! 車が無いならガソリンが無いなら歩いて行け。
そして、疲れ果てた一般の人々をおぶって帰ってこい。
《逃げずに作業を続けているのも東電です》はあたりまえのことをしているだけだ。
たしかに、命をかけてがんばっている社員には家族もいて心配もあるだろう。
しかし、私に言わせれば、その企業で働いてきた人間の最低限の義務だろう。
特に会長、社長、役員といった人々こそ現場最前線で指揮をするべきだろう。
すくなくとも一度ぐらいは現場や非難地域に行くべきではないか?
自ら事故を大きくして何を会議室で威張っているのか?


《逃げずに作業を続けているのも東電です》などという発言に疑問を感じ、理解に苦しむのは私だけだろうか? 

コメントの投稿

非公開コメント

賛同

結局は警察と自衛隊に頼りましたね。
朝の中継で不謹慎ですが笑いました。
農薬撒いてるみたいで。

この気に及んでは注水作業は人海戦術。
機械の扱い以外は単純な作業でしょう。
志願者を募ればいいのです。
そして東電役員も一緒になって後方作業に従事
もしくは待機。

政府要人ではありません。民間企業の社長でしょう。
現場で倒れても大企業ですから代わりの社員はいますよ。
まったく危機意識の欠如。人事な感じは拭えません。

「現場で逃げずに東電の」ですか。
呆れます。
他者が言うならともかく。
他国なら東電役員は襲われてつるし首でしょう。
とっくに広場でぶら下がってる映像が世界に流れてますよ。
まったく本当にむなしいです。

今まで、「安全です。安全です。原発は安全です。」って
言ってた奴が、現場に行け!消火に行け!
安全なんだろっ!!

燃料切れ?はぁ~?
自転車発電でもなんでもしてポンプ動かせ!
全国に東電社員何人いるんだ!
全員で自転車こげ!

流れ者さん

御賛同、ありがとうございます。

結局、東電は体裁を繕い隠蔽に隠蔽を重ね、最後は敵前逃亡ですね。


ののさん

コメントありがとうございます。

最後は自衛隊と警察に丸投げ状態ですね。

《逃げずに作業を続けているのも東電です》という東電社員のつぶやきは呆れてものも言えないですね。
私達もがんばってルのよぉ、キィー。って感じでしょうか?
自分で火種を作っておきながら…。

ホント、東電の社員は何様のつもりでしょうね?

明快ですね。同感します。

コメントありがとうございます

スージー鈴木さん

コメントありがとうございます。

お久しぶりです。
ご無事のようでなによりです。

本日の会見を見ても、東電は反省の色無しですね。
プロフィール

藤原ヒロユキ

Author:藤原ヒロユキ

プロフィール
大阪教育大学卒業後、中学校教諭を経てフリー。イラストだけでなく、エッセイ、コラムも好評。ビールを中心とした食文化や野球、街角にも超精通。

ワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル(ともにアメリカ)、ターボルビアフェスティバル(チェコ)など国際的ビアフェスティバルの審査員を務める。主な著書は「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎)、「藤原ヒロユキのイラストで巡る世界のビール博物館」(ワイン王国社)他多数。2013年より季刊誌「ビール王国」(ワイン王国社)の編集主幹となる。日本ビアジャーナリスト協会会長。ビアジャーナリストアカデミー学長。

カレンダー
10 | 2023/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
管理者用
QRコード
QRコード
PR